ヒメネス・スピノラ ペドロヒメネス(XIMENEZ SPINOLA PEDRO XIMENEZ)
kameisyuji2024-05-01T20:28:08+09:00設立は1919年ながらも、1729年には既に輸出を行っていた記録があるというヒメネス・スピノラ。このボデガは極甘口シェリーであるペドロヒメネスにのみ特化した特殊なボデガで、スペインはアンダルシア地方でも、最も上質とされるヘレスの地で造られています。 この地の土壌はアルバリサ土壌と呼ばれ、石灰分が多く真っ白に見えるのが特徴的です。 はるか昔この地がまだ海の底だった頃のサンゴ礁の名残であるこの土壌は、まさにスポンジのような多孔構造です。冬の雨季で水分をしっかりと蓄え、夏場になると日差しで表面が固まり水分の蒸散を防ぎ、何ヶ月もの間水分を保持し続けます。 この性質はフランスのシャンパーニュ地方やコニャック地方などの地質によく似ており、ブドウを育てるのに最適な環境と言えます。 ペドロヒメネスシェリーを作るにあたって、ブドウを圧搾する前に、天日干しをして糖分を凝縮する工程があります。 しかし、天日干しをしてしまうとあまりにもロスとなる部分が多く費用がかさむため、一部のみ天日干しにしても良いとDO(原産地呼称)で許可されていますが、スピノラ社は一切の妥協をせず、生産量を犠牲にしてでも最高級の品質を追い求め、100%天日干し、100%手摘みにこだわっています。 また、本来ならばシェリーは酒精強化を行って作られるものですが、スピノラ社では一切の酒精強化を行わず、補酸や冷却安定も行いません。 そのため、シェリーであれば製品としての分類は甘味果実酒となるところが、ヒメネス・スピノラのシェリーは果実酒という分類になります。 徹底した品質主義を貫くスピノラ社は、社則として一切のコンクールやVOS/VORSに申請しません。 しかしながら、それでも世界のセレブリティたちが毎年発売を心待ちにしているボデガです。凝縮したレーズンのような甘美なその味わいは葉巻との相性も抜群、数あるペドロヒメネスシェリーの中でも異彩を放ちます。ぜひ一度お試しください。 [...]