グラッパ・ディ・サッシカイア(GRAPPA DI SASSICAIA)
kameisyuji2025-01-30T18:29:39+09:00トスカーナ州マレアンマ地方のボルゲリ地区で造られるサッシカイアは、スーパータスカンの元祖として知られています。 スーパータスカンとは、ワイン法や従来の格付け基準に捉われずに造られる最高品質のワインのことです。 その始まりは第二次世界大戦の頃、ボルドーのワインが大好物だったイタリアのマリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ侯爵が、戦争の影響でフランス産ワインの輸入に規制がかかったことを受け、かねてから交流のあったシャトー・ラフィット・ロートシルト家からカベルネ・ソーヴィニヨンの苗木を譲り受けました。 そうして当初は自家消費用として造られていたワインですが、マリオ氏から息子のニコロ氏へと経営が変わると、当時からすればかなり先進的な技術をたくさん取り入れて生産を拡大し、一般販売を開始します。 1960年代にはかなり評判となっていましたが、イタリアのワイン法に則ると格付けとしては最下位のテーブルワインとして扱われるようなものでした。 転機は1978年、ロンドンで開かれたワインの試飲会でボルドーの有名シャトー達を抑えて1位に輝き、ワイン界に激震が走りました。 そして1994年、ついにこのワインの品質が認められ、「ボルドリ・サッシカイア」というDOCを獲得しました。 これは単独のワイナリーとしては初の出来事で、ワイン法を覆す偉業でした。 それに続き、オルネライアやソライアなどの銘品が台頭し、それらを合わせて『三大スーパータスカン』と呼ばれるようになりました。 この従来の規格や縛りに囚われることなく最高品質のものを創り出す流れは『イタリアワインルネッサンス』とも呼ばれています。 [...]